5.30.2012

バッハさんについて

ヒナミケイスケです。 ちょっと前にチェロを習い始めました。独特の温かい音色に昔から憧れていましたが、きっかけは大変安値で楽器をオークションで落札できたことでした。小さい頃習っていたバイオリンの経験から応用できる部分もありますが、構え方から基本動作、調弦も異なるため、まだまだぎこちないですし、気分はもっぱら初心者です。おまけにチェロ用の譜面はバイオリンとは違う「ヘ音記号」で書かれているため、例えれば同時に新しい言語も身につけなければならず、なかなか苦戦しています。 経験を積むにあたって、バッハさんから攻めればなんとかなるだろう、という我ながら偏った価値観です。「無伴奏チェロ組曲第一番ト長調(プレリュード)」という曲を習うことにしました。テレビでもよく使われる、こいつです: Mstislav Rostropovich - Bach: Cello Suite No.1 in G major, BWV 1007 バッハさんの音楽は「バロック」という一つの古典音楽のスタイルとされていて、特徴としてリズムが規則的で、感情のうねりもさほどありません。情熱むき出しのショパンさんやベートーベンさんとは対照的なスタイルです。淡々と弾くのが一般的な「正解」とされていますが、実際の内容はこざかしく、真顔で淡々と弾きこなすのが難しいものです。 とはいえ、こんな解釈をするアーティストもいます: Bach - Cello Suite No.1 i-Prelude 最初のリンクのロストロポビッチ氏と上記のマイスキー氏を聞き比べると面白いです。少し脱線しますが、学問として綿密に研究されてるバッハさんの音楽でも、演奏者に委ねられれば自ずと解釈にばらつきが生じることが面白いと思いました。 作曲家のライブ版がないので仕方ないですね。 素敵なことだと思います。

5.25.2012

夏がこなくなったら

じわりと攻め寄る熱気。

子供の頃の夏休みと言えば、あの果てしない退屈さを思い出す。あり余った時間とエネルギーを何に向ければ分からず、もやもやしつつも結局ほとんどの時間をごろ寝で過ごす。時間を潰すという言葉には、個人的には説明しがたい後ろめたさが伴うが、まさに子供の夏休みを形容するのに適した言葉に思える。現代の子供はそう呑気にしていなさそうだが、少なくとも私が子供の頃はそうだった。ちなみに、どちらも良し悪しがあるかと思う。

それでも、もったいないという気持ちは無いわけではなかった。マンガのワンシーンのように草はらで寝転がって(結局寝転がるのだ)、流れる入道雲を見上げてみたこともあった。最初は気持ちいいものだが、これまた数分も経てば額から汗がにじみ出て、ごろ寝をすること自体が苦になり、すぐやめてしまった。再び家に退散して、つくりおきの冷えた麦茶をがぶ飲みして、いっちょまえに、ぷはぁ、とか言ったものだ。