1.26.2018

はじまり

初めてタバコを吸ったときを思い出す。

当時15才の高校生だったが、既に友人は吸い始めていた。私はそいつがひそかにカッコいいと思っていたが、自分から「俺も吸ってみたい」と言い出すことが真似っぽくダサく思えたので逆に「お前は馬鹿か」と揶揄するのが最善の選択肢だった。

ところが三人目の友人も吸っていることが判明して、特定の誰かの真似ではなく「俺も吸ってみたかったんだよね」と言いやすくなった。

私たちは不良でもなんでもなかった。多分、二人の友人も内心ドキドキしながらコソコソ吸っていたのではないかと想像する。私が仲間が加わることは、なんとなく歓迎されたような気がする。

はじめての銘柄はKOOLという重めのメンソールだった。先端に火を当てながら息を吸い込む。最初は口の中の煙をそのままふかしてしまった。その次は肺まで吸い込むことを学んだ。なんどか練習してるとフワフワしてきて乗り物酔いのようなめまいがした。

帰り道もずっと気持ち悪かった。親に匂いをかぎ取られるのではないかとドキドキしながらゆっくり歩いて帰った。